2013年7月7日日曜日

パーイでの日々(前編)

町に着き、早々にバイクをレンタルした。
小さなバイクで切る風はたまらなく気持ち良い。



噂で聞いたムーンビレッチと言う、日本人の住む村へ行ってみる事にした。山道を迷いながら走る事、1時間。10人が住むと言う、その場所はとても不思議な村だった。


ちょうど帰宅したと言う60代の方とお会いする事ができた。とてもかっこいいおじさまだ。
興味本位で訪れた私たちを、どうぞと家に上げてくれ、お茶を頂いた。

遊びに来たお友だちも交えて、話す事、数時間。
色んな国を旅し、この地へ辿り着き早6年暮らしてると聞く。
自転車で町へ買い物に行けば、一日は終わると言った。暮らしに必要な物は回って来るとも。


特別、真面目にここで暮らしをしている人だった。もっと刺激的な何かを私は想像していたのかも知れない。
その人を前に少し緊張していた私は、あまり上手く話が出来ず、頭の中はずっとごちゃごちゃしていた。


探していた場所の地図を書いてもらい、ムーンビレッチを後に。


以前はゲストハウスの様な感じで、バンガローを貸していたと言うその場所は、今女性の方が一人で暮らしているそう。

ここでも、お茶を頂き、良かったら食べて行かない?とのお誘いで、夕飯をご馳走してもらう事になった。久しぶりの焼き魚と味噌汁で、白米おかわり2杯と、楽しい食事。



パーイの話や旅の話、お友だちの話。とても気さくな方で、かれこれ夜の10時過ぎまで、のんびりさせてもらった。

本当はアメリカに行くつもりだったのに、気づいたらタイに住んでいたと。
巡り巡って、色々な縁があって、ここで暮らしている。


お腹もいっぱいになり、ぼんやり自分の暮らしを考えていた。
ずいぶんと不自然な物に紛れていて、それも私の暮らしだったのかと、面白く思うのだ。頭の中のごちゃごちゃはいつの間にか消えていた。


何だかワクワクしている。今日出会った話と揺れを消化し、大事に残った物を糧に、新しい暮らしもしてみたい。素敵な1日だったな。


少し気持ちが急いでいたけれど、パーイののんびりした雰囲気をもう少し味わおう。



つづく。

2013年7月1日月曜日

チェンマイ、バーンロムサイへ

静かな夜、プールに浮かんだ。
聞いた事のない妖しい虫や鳥の音と、久しぶりに見た星空。誰も居ない。




バンコクから北へ走ること10時間、タイ第2の都市、古都チェンマイへ。

そして、市内から更に走る事30分、バーンロムサイを訪れた。ここはHIVに感染した孤児の生活施設になっていて、
今回、隣接するHoshihana Village(映画「プール」の舞台になった)に泊まれる事になったのだ。
宿泊する事が施設の支援に繋がるそうで、気持ち良く宿を使わせてもらった。



敷地内は緑に溢れていて、時々猫が顔を出す。広々とした庭を奥へ進むと、大きなあのプールが私を呼んでいた。



昼はハンドン市場へ夕飯の買い出しに行き、それ以外は宿から出る事もなく、プールサイドで過ごした。
本を読み、ビールを飲み、たまに泳ぎ、浮かぶ。




何にもない。
何にもないがここにある。

これから先の旅の事を考え、今までの旅の事を思い返した。ヒントはいくつか見つかった気がする。


シンプルに、よりシンプルに行こう。



2日間と短い滞在ではあったけど、とても大切な時間を過ごさせてもらった。
また必ず訪れよう。今度は家族を連れて来よう。友だちも呼ぼう。料理もしよう。



お気に入りの場所がまた1つ増え、名残惜しい気持ちでチェンマイへ戻る。



つづく。

2013年6月26日水曜日

パンガン島、フルムーンパーティーへ

名物のバケツ酒を浴び、月に照らされ、そそのかされ、海辺をヘロヘロになって踊った。
午前零時に向け、どんどん賑やかになっていく。


裸足で踏む夜の砂浜は冷たくて、海水が押し寄せては足下から消える。どうしたものか、気づけばずぶ濡れで。


スイッチが入った瞬間から、ここは噂通りの楽園に変わった。
音楽は聴くより踊る方が好きなのかも知れない。


何時間経ったのだろう、おぼつかない足取りでどうにかホテルに戻り、そのままベットに沈んだ。外はすっかり明るくて、太陽の熱い視線が痛い。

120%楽しんだ代償に、翌日は1日起き上がる事が出来なかった事も、いい思い出になるだろうか。



つづく。

2013年6月23日日曜日

パンガン島での日々

旅に出る度、まだ帰りたくない、もっと居れたらいいのにと思っていた。
何がしたいわけでもない、大層な理由もない。ただ漠然と、ただ勝手に。

長い旅に出たいと話した時、ひろちゃんも同じ事を考えていたのだから、こうなることは決まっていたのだ。と、思ったり。



ミーティングと称して、数え切れない夜を明かし、私たちは飽きずに同じ話をしてはゲラゲラ笑い、お酒を飲み、まだ知らないたくさんの国にひどく酔ったもんだ。
宇宙に行きたい、そんな話もしたっけ?

出発した今は話す事も尽きて、それはそれで、誰とも代われない相棒なのだ。



150バーツでレンタルしたバイクにまたがり、島中を無茶苦茶に走った。二人乗りなんて、何年ぶりだろうか。
無防備に焼けた肌が少し痛むけど、もう気にしない。
手のひらを太陽に、サングラスもしまってしまおう。

行動範囲はぐっと広がり、昨日見た同じ景色は別の地の様。
夜風はまた格別に美味しく、気が大きくなっているのが手に取ってわかる。


翌朝バイクを返しに行った所、キズがあるとお金を取られた事は社会勉強と諦めた。


いずれにしても、今夜はフルムーンパーティー!お酒を浴びよう。




つづく。

2013年6月21日金曜日

カオサンロード、パンガン島へ

タイに戻り、カオサンロード近くに3日間、宿を取った。
カンボジアの1泊2ドルのゲストハウスとは違い、少々味気ないがシャワーはちゃんと出る。

顔を会わせる度にビール?と聞いてくる陽気なスタッフは居ないけれど、フロントの男性の笑顔に落ち着く。


町の人に道を聞けば、言葉が通じなくても身振り手振り教えてくれる。
わからなければ、通りがかりの人に声をかけてくれ、
気づけば3人4人と人が集まり、
さっきまで客引きしていたトゥクトゥクのお兄ちゃんまで混ざってる。


乗り間違えたバスの運賃は要らないよと、正しいバス停に降ろしてくれ、
目的地に着いたら声をかけるよと、笑ってくれる。
微笑みの国タイ、その通りだと思う事は多い。


日が沈み、カオサンロードに集まり出す風変わりな人々、はしゃぐ欧米人たちを眺め、
2年前この場所で、私たちも散々飲み明かした事を思い出した。
また今日の日の事を思い出す日が来るのかな。





宿を後にし、バスとフェリーを乗り継いで、約10時間。タイの南、念願のパンガン島へ着いた。


今年最高の満月だと、教えてもらった。フルムーンパーティーは明後日。



つづく。

2013年6月20日木曜日

バンコク、カンボジアでの日々

気づけば、日本を出てから10日程過ぎていた。


40リットルのバックパックに少しだけ空きを残して、タイに降りた。


片付けもそこそこに。
準備もほどほどに。

着いて早々、予定していたカンボジアへアンコールワットを見に行き、ベンメリアまで足を伸ばした。


ベンメリアへ向かう道は町を抜け、村を抜け、森を抜け、
そして、またいくつかの村を通り過ぎる。
道端ではパンツ一枚の子供たちが輪ゴムを指に引っ掛けて、木の実を狙ってる。
見上げる空にぶら下がるあの実は美味しいのかな。
太陽の下、どんな大人になって行くのかな。

生きとし生ける物、みんなに幸せが訪れます様、
そんな事をまじまじ改めて思っていた。私は幸せです。
けど、またきっとすぐに忘れてしまうから、思い出しては繰り返し、忘れては進む。


始まったばかりの旅の緊張が少しずつ解けていく。 

              
                                             
つづく。