旅に出る度、まだ帰りたくない、もっと居れたらいいのにと思っていた。
何がしたいわけでもない、大層な理由もない。ただ漠然と、ただ勝手に。
長い旅に出たいと話した時、ひろちゃんも同じ事を考えていたのだから、こうなることは決まっていたのだ。と、思ったり。
出発した今は話す事も尽きて、それはそれで、誰とも代われない相棒なのだ。
150バーツでレンタルしたバイクにまたがり、島中を無茶苦茶に走った。二人乗りなんて、何年ぶりだろうか。
無防備に焼けた肌が少し痛むけど、もう気にしない。
手のひらを太陽に、サングラスもしまってしまおう。
行動範囲はぐっと広がり、昨日見た同じ景色は別の地の様。
夜風はまた格別に美味しく、気が大きくなっているのが手に取ってわかる。
翌朝バイクを返しに行った所、キズがあるとお金を取られた事は社会勉強と諦めた。
いずれにしても、今夜はフルムーンパーティー!お酒を浴びよう。
つづく。
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