2013年9月1日日曜日

ネパールでの日々

Resham Phiriri〜
どこからともなく流れてくる、あの唄。
何度も口づさんだ、あの唄。
みんなで歌ったあの唄を鼻歌に、飛行機を待つ。


1ヶ月過ごしたネパール。
カトマンズ、チトワン、ポカラ、ナガルコット、と各地を回った。

山に囲まれ自然豊かなネパール。
排気ガスと埃にまみれたネパール。

山だらけ、ゴミだらけ。

これからインドに行くと話すと、その後はまたネパール戻って来るんだろ?と、言い返された。
そのつもりでいる事は内緒なのにと、笑ってしまった。


家庭料理のダルバート・タルカリを毎日の様に食べていた事を思い出す。

最初こそ出されたスプーンで食べていたのだけど、手を使う食べ方を教わってからは、どこでも手を使う様になった。
その姿が滑稽なのか、笑われた。そして、君たちは手で食べるのかい?と、喜んでくれた。

スプーンで食べる味と全然違うその味は正にハンドマジック。指先で米や野菜の触感も味わう。何でもっと早く教えてくれなかったのと、抗議したい程だ。

ネパール人の様にはいかないけれど、食事を重ねる度にずいぶんと上手くなった気がする。

やっぱり食は元気の源だ!
腹が減っては旅が出来ぬと言わんばかりに、もりもりとおかわりをした。このダルバートのおかわり自由と言うシステムもまた大食い2人には嬉し過ぎたのだ。


気温の下がった夜の水風呂には毎晩こたえた。ホテルのスタッフに泣きついてはみたけど、どうにもならない事は仕方ないのだ。昼のうちにシャワーを浴びればいいとアドバイスされ、昼のうちなら水でも何とかなるなと、納得させられた。

昼夜関係なく、繰り返し起きる停電。
ロウソクを灯して暗闇を過ごすのも悪くないね、なんてロマンチックに浸って居られるのも束の間、電気がついた時はやっぱりホッとしたもんだ。


旅を続けて、色々な不便に慣れてきた。もちろんこれは旅だからであって、暮らすのとはまた違うのだけど。
たくさんの知恵をもらった。一昔前の日本の暮らしの様な懐かしさがいつも心地がよかった。

ほんとしっくりくる国だった。
どこへ出かけても、人懐っこく寄って来る人々は私たちの胸を躍らせ、時には心配してくれ、優しく迎えてくれた。
人と人との付き合いなんて、やっぱり単純なものなんだと、改めて教えてくれた。

内緒にしていたけど、この国へまた戻って来る事は、もう決まっているのだ。


何人の人にタダイマと言えるだろうか。そんな事をうっとりと考えていると、またあの唄がどこからともなく流れて来る気がした。


つづく。


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