夜の7時にゴアに着くと言われた時は、何度も聞き返した。だって、到着予定は朝の8時だったから。
インドの列車は遅れるのは当たり前なんてのはもう昔の話の様で、今の今までほぼ定刻通りに列車は動いていた。むしろ予定より早くに電車が駅に来ていて、焦ったこともある。
のだけど、やっぱりこんなことはまだまだ起こる様で、普段列に並ぶことをしないインド人たちは、この状況を何とも思っていない様子で、平然としていた。
もし日本でこんなことが起きたら、大ニュースになるだろうなぁと思うと、何だか可笑しくなった。
5分遅れれば、ホームで貧乏ゆすりを始める、働くサラリーマンの姿が頭に浮かんだ。
他国の人がイメージする通り、忙しい国!日本なのだ。私が知ってる限り1日は24時間なのだけど、日本人には足りてないのかな。
そう言えば昔、後3時間位あったらいいのに、なんて思ってたことがあった。
まぁ着くことは間違いなさそうなので、さて何しようか。
お腹が空いたけど、いつもなら大声で車内を行き来する売り子が来ない。駅に停車する度、小さな売店目掛けて皆が一目散に走るので、私たちが行く頃にはすでに売り切れだった。
腹減らしのヒロちゃんが果敢に何度も挑戦しては、乗り遅れそうになって、インド人たちと笑った。
そして、その度インド人たちは買ったお菓子やパンを私たちに分けてくれたのだ。食べたことのない名前もわからないスナックを少しずつ、色々と食べさせてもらった。塩とマサラをかけてかぶりついた胡瓜は夏の味がした。
エアコン車両の寒さにいよいよ耐えられなくなり、トイレ近くの通路にあった荷物に腰掛けるといつの間にか眠ってしまった。
寝ても覚めても外は一面、ただただ緑に溢れていた。
さんさんと降り注ぐ光を浴びて、畑は黄金色に輝く。気持ちのいい温風が車内にごうごうと吹き込んで来る。
一向に変わらない景色に飽きることはなかったけど、iPodの充電はみるみるうちに減っていった。何の唄が流れても、気持ちは明るかった。
視界を遮る建物など何もなくて、空が流れている。ぽつりぽつりと見慣れない作りの民家が現れては、広大な畑を耕す人々の姿。のどか。
緑の少なかったラジャスタン州から、一気に雰囲気が変わった。インドの国の広さを直に感じた気がする。
マルガオ駅から目的のアランボールビーチまではずいぶん離れてると聞いていたので、夜になってしまったし、困ったなぁと思っていた。
そろそろと思ってたまたま停車した駅でもうすぐか聞くと、今停まっているのが停車しないと聞いていた、最寄りのティヴィム駅だと言うじゃないか!遅延の影響でダイヤが変更になったのかな?ラッキー!
とにかくリュックを背負って、列車を飛び出した。
すでに真っ暗な夜の駅。
それらしき旅行者から、良い宿を教えてもらうと、トゥクトゥクで出発。
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