チェックアウトの時間が迫る度に、繰り返しチェックインした。
シナモンの香りは眠くなる。取り分け良くも悪くもないゲストハウスだったけど、目の前にはチャイの美味しいカフェがある。
いい所だよ、訪れた人は口を揃えて言う。
訪れてみて、やっぱり誰かに話したくなる、そんな町だった。
町中から少し離れれば、広がる田園風景。もう少し走れば、人の姿もなくなり、澄んだ空気に控えめだけど、深緑に光る山々。
一昔前はヒッピーの溜まり場、なんて言われてたらしい。
今も長髪にヒゲをたくわえたお兄さんが、町中のメインロードで商いをしている。それはのんびりと。
この旅で荷物は増やさないと決めていたのに、一目惚れのタイパンツを買ってしまった。
毎朝通ったカーオ・マン・カイのお店。夜になると並ぶ屋台では、あれこれと食べ歩き。
フルーツシェイクの美味しいカフェでは、夕方になると降る雨を眺めた。すっかり気が抜けてる。
これと言った観光名所もないし、何だかとってもふざけた町なんだ。
程よく賑やかで、のんびりしている。
故に長期滞在してしまう旅人が沢山居るのも納得してしまう。
そんな愛嬌たっぷりのパーイを、後ろ髪引かれる思いで後にする。
南から北へ、タイを味わった。そろそろ出てもいい頃だと思って。
チェックアウト1時間前。シェイク屋さんに寄って、バスを待とう。
つづく。
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