昔、カトマンズの王様の息子が若くして亡くなったそう。
母親はひどく落ち込み放心状態が続き、笑う事を忘れてしまった。それを見兼ねた王様が彼女を笑わせる為に考えたお祭りなんだって。
そう、今日はバクタプルのお祭り。
そこには女装をした男性、派手なペイントをした人、子どもたちは牛の衣装を着させられていた。
全ては悲しむ人を笑わせる為に。
そして、人間はいつか必ず死を迎える。
こんなに沢山の人が亡くなった事を教える様に、その年に亡くなった人の写真を飾り日本の神輿の様に担いで、町中を練り歩くのだ。
家族、親戚は列に並び、唄い、舞う。
男の人たちの踊りは一段と激しく、かっこいい。無心で木の棒を振るい、叩き合い、掛け声をかけ、軽快に踊る。惚れ惚れしてしまう。
その姿は勇ましい。足下を見れば、裸足だ。
太鼓は弾け、シンバルは響いた。つられてこちらも飛び跳ね、ついつい体が動いてしまう。
それはよく晴れた日のとてもあったかいお祭りだった。
町中が活気に溢れていて、行き交う人々は目が合えば満面の笑みを返してくれる。
小さい子どもから、腰の曲がったお年寄りまで、みんな生き生きとしていた。
すごい熱気だった。やっぱりお祭りはこうでなきゃね。
どこか日本のお祭りにも似ていて、今年は七夕祭りにも花火大会にも行けなかったので、嬉しくなった。
この王様はとても素敵な人だったんだろう。いつの時代も、人間は悲しみを乗り越えようとして来たんだ。
こんな風に今も続くこのお祭りは、カトマンズの人々の特別な1日になっているのだろうな。
つづく。
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