憧れのネパールへ。
東南アジアを抜け、一気に町や人の雰囲気が変わり、ただただ興奮していた。
トリブバン空港を出てすぐ声をかけて来るタクシーの運転手はみんな、彫刻の様にキレイな顔立ちをしている。イケメンばかりだ。
とうとうネパールに来たのかと、嬉しくなった。
朝晩は寒い程、日中も涼しく過ごしやすい。
そして、町全体が排気ガスと砂埃でくすんだ色をしている。耐え切れず、すぐにマスクを買う事になった。
雨の日が続いたのもあって、何をするでもなく、1週間のんびりと過ごした。
タメルの町の夜は早い、10時にもなれば店はどこも閉まり始め、真っ暗になる。街灯もなく、歩いてる人もまばらだ。
私たちも毎晩早めに帰っては、部屋にも戻らず、ぼーっと宿のテラスで何時間も過ごした。
宿のスタッフ、レストランの店員、日本食屋のママ、お土産さんの家族、ツアー会社のスディールさん、道行く人。
ネパール人と会話をする度に、この国をどんどん好きになって行く。
町中からは甘い香りがする。店先ではお香が焚かれていた。
偽物の登山用品店や、刺繍が見事なTシャツ屋には、エベレストの文字やネパールの国旗のデザインが多く並ぶ。
シルクのスカーフ屋にパシュミナ屋、雑貨屋、アクセサリー屋、紅茶屋、スパイス屋。
歩いているだけで、本当に面白いのだ。美味しいダルバート屋も見つけたし、日本食も噂通り美味しい。
膨れあがったお腹で、やっぱりここでも店員さんとのおしゃべりが弾む。
ある日は小高い丘に建つスワンヤブナートまで歩いて向かった。
長い階段が目の前に現れ、息を切らしてやっとこ登り終えると、ブッタアイと目が合うのだ。
今日は掃除をする日なのか、参拝者は笑顔を交わし合いながら、丁寧に寺中を洗っていた。
細かい所は色鮮やかなサリーを纏った女性達が、高い所はハシゴをかけて男性達が。人で溢れかえって居る。
その光景に強烈な異文化を感じた。
でも、それは日本で言うなら近所の公民館をみんなで大掃除している様な、自然な光景でもあった。
カトマンズの町を一望して、深呼吸。
30日のVISAも取った。
ゆっくりネパールを満喫しよう。
重い腰を上げ、チトワンへ向かう。
つづく。
0 件のコメント:
コメントを投稿